戸建て住宅の建築で重要な「断熱」に関する基礎知識

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2022年03月12日

戸建て住宅の建築で重要な「断熱」に関する基礎知識

みなさんこんばんわ。エムハウジングです。本日は断熱性能に関してのお話です。
戸建て住宅を購入する際、特に注文住宅であれば住居の〝断熱性能〟については必ず検討事項として挙げられるポイントです。
しかしながら、「断熱性能は良い方が良い」という認識がただあるだけで、詳しくその必要性・重要性についてまで知識を持っている方はあまり多くはないのではないでしょうか。
夏は涼しく冬は暖かく過ごしたい。それを叶える為の〝断熱性能〟ではありますが、実はこの〝断熱〟にはもっと大切な役割が隠されているのです。

断熱と気密性

近年では、断熱性能の高さに加えて〝気密性能〟も重視される傾向にあります。
これは、夏は外からの熱気や冬には寒い空気を家の中に入れない、あるいは快適な室内の温度を外に逃してしまわないように隙間をふさいで高気密な家にする事が重要だと考えられている為です。このことから、気密性の高い家=断熱性の高い家であると考えられます。
 

断熱性の高さを求める上で高気密が欠かせない事がわかりました。しかし、この〝高気密〟には注意しなければならない落とし穴があるのです。それは、空気の逃げ場が作られない事で家の中に汚れた空気が溜まってしまう危険性が生じるという事です。
 

特に新築住宅では、化学物質を多く含んだ建材が使われている可能性もあり、人体に悪影響のある成分(ホルムアルデヒドなど)が家の中に蔓延してしまう危険性が生じるのです。
2003年からは、建築基準法で24時間換気設備の設置が義務化されましたが、それでもはやり健康への影響を思うと不安は拭いきれません。
 

注文住宅では設計の段階であらかじめ、使う建材を自然素材にするなどといった選択肢を視野に入れて検討する事が大切です。 

断熱と結露

特に冬場の窓ガラスに見られる結露。住居において結露は非常に厄介な問題であり、しっかりと対策を行わなければならない問題です。
結露は、家の土台や柱など、構造そのものをつくりあげている建材を腐食させる原因となり、またシロアリなどの害虫を寄せ付ける原因にもなります。
これらが原因で家は強度を失い、耐用年数そのものを縮める可能性がある他、結露が原因でカビが発生し、そのカビをエサにしてダニが繁殖する事でアレルギーやぜんそくを引き起こす原因にもなりかねません。
この厄介な「結露」を防ぐ対策こそ“断熱”です。

結露を防ぐ方法とは

室内の空気の温度と室外との気温差により発生するのが結露です。この結露を防ぐ為の対策として考えられるのが先にもお伝えした「断熱」です。
 

例えば窓に2枚ガラスを採用する「断熱施工」を施せば、2枚のガラスの間に空気の層が出来る為、部屋側のガラスはそれほど冷たくならず暖かい空気が冷たいものに直接触れないので結露の発生を防ぐ事が出来ます。
 

窓に関わらず、床や天井、壁などにおいてもしっかりと断熱施工が施されていなければ、室内の暖かい空気が外気に冷やされる事で床・天井・壁に結露が発生する可能性があります。適切な断熱施工・断熱材の採用をし、内部からの結露を可能な限り防ぐ事が大切です。
 

知らないうちに見えない部分で結露が発生する事で、柱や土台といった家の構造材にカビが大量発生したり結露の発生は深刻な問題に繋がるという事を覚えておくようにしましょう。

見えない危険〝内部結露〟

適切な断熱施工・断熱材を採用する事で、部屋側の暖かい空気が冷たい外気に接するリスクを低減する事ができますが、窓ガラスのように内側と外側の両方が筒抜けで見える部分以外の床や天井、壁についてはその構造内部の状況が確認できない為不安であると言えます。
 

空気というのは、わずかな隙間にも入り込む性質があります。その為構造内部の断熱材の隙間に暖かい空気が入り込み、外気に触れる事で構造内部に結露が発生する可能性もあるのです。これを通称“内部結露”と呼びます。
 

逆に夏場、エアコンのきいた涼しい室内の空気と暑い外気温が接触する事によって起こる結露もあり、これを“逆転結露”と呼んでいます。外から隙間を通って構造内部に入り込んできた暖かい空気が内部構造に入り込み、室内に面した壁に触れる事で壁内部に逆転結露が起こります。
では、この内部結露を防ぐ為の対策はないものなのでしょうか?

話題の〝外張り断熱材〟とは

近年、高断熱・高気密の住宅の特徴として〝外張り断熱〟を採用する家が多くあります。
通常、断熱材は壁の内側に充填するものですが、この外張り断熱は外壁のすぐ内側に断熱ボードを打ち付け、さらに防湿シートを張ることで気密性を保っているという仕組みです。
 

外壁のすぐ内側から全てが断熱材で覆われた一つの空間になるイメージです。これは非常に高気密であり確実な断熱性が期待できるものではありますが、24時間換気が必須である点や、壁の内部が空洞になる為に反響音が気になるといったデメリットも起こり得ます。

高断熱・高気密に欠かせない「24時間換気」

住宅基盤となる柱や壁の劣化を防ぐ為には結露を発生させない事が大切で、その結露を防ぐ為には高気密で高断熱な家にする事が重要であるというのがここまでのまとめです。高気密・高断熱であるという事は外からの空気を取り込み難く、室内の空気を排出しにくいという事で、結露を防ぐ点に着目すれば優れた性能であると言えます。
 

しかし、“空気がこもる”という視点からすると、生活の中で生まれる“綺麗ではない空気”を室内に滞留させてしまい、換気がされない状態であるという事になりますので、そういったクリーンではない状態が続くのを防ぐ為に設置されるのが24時間換気です。
冒頭でも触れましたが、空気中のアレルギー源が原因で引きおこるアレルギー症状を防ぐ目的もある為現在では、建築基準法で建物に
24時間換気システムを設置しなければならないと義務付けられています

24時間換気システムとは

24時間換気システムは主にリビング・寝室や和室に設置されます。24時間換気システム装置を設置する事で排気と給気を同時に行う事ができます
 

天井や天井裏、あるいはクローゼットなどに設置される事が多く、各部屋には装置本体につながる給気口や排気口が設置されます。
 

キッチンの換気扇や浴室・トイレの換気システムなど任意で稼働・停止を操作できる換気システムとは違い、強制的に空気の循環が行われるように考えられたシステムが24時間換気です。とは言っても、この24時間換気システムにもON/OFFスイッチが設定されており、自身で操作する事が可能である場合がほとんどです。
 

在宅中は窓を開けているので必要が無い、電気代がかかるので節約したい、特に冬場は冷たい空気が入ってくるので寒い…といった理由からスイッチをOFFにする方も多いようですが、ずっとOFFのままにしておくのは住宅内の空気環境には悪影響です。

結露防止にも一役

結露の原因の項目でもお伝えしましたが、外気と内気の温度差こそ結露の原因です。では24時間換気で空気を排出・給気したら結露になりやすいのではないか?と連想した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 

しかし実は24時間換気はむしろ結露の防止に貢献しており、24時間換気システムを稼働する事で湿気を取り除く事ができる為、結露の原因となる水分を含んだ空気を滞留させないという点で一役買っていると言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。住宅に高気密・高断熱が求められる理由と結露の関係、そして24時間換気についても触れて紹介をして参りました。
一昔前と比較すると、今はどんどん断熱性・高気密性の向上に適した設備や建材が出回ってきており、より高性能の住宅を建てる事が容易い時代となりました。できるだけ長く、心地の良い暮らしができる家づくりを成功させる為に、ある程度の知識を持った上で建材や設備を選択するのは非常に大切だと言えます。
メリット・デメリットをしっかり把握した上で、必要なものを選択していく。そういった流されない正しい家作りを是非、実現させてください。

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