不動産売却時に活用できる控除とは?3000万円特別控除 編

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2022年07月02日

不動産売却時に活用できる控除とは?3000万円特別控除 編

不動産売却をお得にする「特別控除」とは?

皆さんは、不動産の税金対策について考えたことはありますか?
不動産を売って得た「売却益」には「譲渡所得税」が課せられます。しかし、譲渡所得税には、「3000万円の特別控除」という特例が適用される場合があり、適用されれば譲渡所得税を抑えることができるのです。

不動産会社でも教えてもらえますが、事前に自分で調べておくと安心です。今回は、「3000万円の特別控除」や、適用要件、必要な手続き、書類、併用できるほかの控除、住宅ローン控除との違いなどをまでをお伝えします。今後、マイホームを売る予定がある方は必見です!

不動産売却には税金がかかる

そもそも、住宅や土地といった不動産の売却時には、税金がかかるということをご存知でしたか?
不動産を売却する際には、大きく分けて以下の2つの税金がかかります。

・売却益が発生したときにかかる税金
・売却手続きにかかる税金

3000万円の特別控除に関係があるのは、売却益が発生したときにかかる税金です。売却益に対してかかる税金を譲渡所得税といいます。

適用要件を満たすことで控除される

3000万円の特別控除は、適用要件を満たすことで3000万円までの譲渡所得税が控除される制度です。不動産の売却益が3000万円以上であれば3000万円が控除され、3000万円以下であれば、その金額全てが控除されます。

3000万円の特別控除を受けるには、税務署で手続きを行わなければなりません。
手続きの際には、確定申告の書類が必要となりますので用意しておきましょう。

詳しくはこの記事でも紹介しますが、国税庁のホームページにも詳細が載っているので、合わせてチェックしておくと良いかもしれません。

控除を受けられる適用の要件とは?

3000万円特別控除の適用要件は複数あります。全てを満たしている必要があるので、ここでチェックしておきましょう。

「居住用財産」であることが前提

3000万円特別控除の適用要件は全部で6つあります。まず、売却する物件がマイホームであることが前提です。

●3000万円特別控除の適用要件

[ 1 ] 下記のいずれかを満たすマイホームであること
a. 現在、主に住んでいる自宅である
b. 転居済みの場合、転居後3年目の年末までの売却である
c. かつ土地の売却契約締結が解体から1年以内であり、その土地を賃貸していない
d. 単身赴任の場合、配偶者が住んでいる建物である

[ 2 ] 物件の買主が親族や夫婦、同族会社など、特殊な関係でないこと

[ 3 ] 売却した年の前年、前々年に、3000万円の特別控除又はマイホームの譲渡損失が出た場合の損益通算及び損失の繰越控除の特例の適用を受けていないこと

[ 4 ] 売った年、その前年及び前々年に、マイホームの買換えや交換の特例を受けていないこと

[ 5 ] 売却した不動産に関して、収用等の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと

[ 6 ] 災害によって売却する場合、住まなくなった日から3年後の年の12月31日までに売ること

控除を受けるには、上記6つの項目を全て満たしている必要があります。抜け漏れなく確認してみてください。もっと詳しく知りたい人は、国税庁のホームページで確認してみるとよいかもしれません。

こんな場合も控除対象に入る?

マイホームを売る際には、相続したり取り壊したり、さまざまなケースが想定されます。これらの場合にも、3000万円の特別控除は適用されるのでしょうか?以下のような場合、一定の要件が満たされていれば適用される場合もあります。
●相続の場合
自分が相続人となった空き家の場合、いくつかの要件を満たせば控除の対象となります。この場合、元々不動産を所有していた人が住んでいた家であることが前提条件です。一時的に誰かが住んだり、建て替えを行ったりすると適用されません。

●取り壊した後に譲渡した場合
取り壊した後に譲渡した場合も、いくつかの要件を満たせば控除の対象となります。対象の敷地は、駐車場や賃貸などで人に貸してしまうと適用除外になるので要注意です。詳しく知りたい人は、国税庁のホームページ「マイホームを取り壊した後に敷地を売ったとき」で確認できます。チェックしてみてください。

●土地や建物を誰かと共有している場合
土地や建物を誰かと共有している場合、適用されるかどうかは共有者ごとに判断されます。共有者は各々が特例を申請できるため、確定申告も1人ひとりの提出が必須です。それぞれが準備を行いましょう。

●賃貸併用の場合
住んでいる建物の一部を賃貸として貸し出している場合も、控除の対象となります。ただし、この場合は自分が居住のために使用していた居住用家屋の部分に限ります。

●店舗併用の場合
建物の一部が店舗になっている場合も、控除の対象となります。賃貸併用の場合同様、適用されるのは自身の居住のために使用していた部分に限ります。

逆に、適用されないケースとしては、以下のような家屋が挙げられます。

・3000万円の特別控除を受けることを目的として入手した不動産
・自宅を新築する際、一時的な住まいとして利用した家屋
・その他、一時的な目的で入居していた家屋
・趣味や娯楽、保養のために所有する家屋

申請期間や必要書類は?

売却する不動産が適用要件に当てはまったら、申請を進めていきます。申請の期間はいつまでか、必要書類には何があるのか、ご紹介します。

申請期間

3000万円の特別控除を受けるには、不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を申請する必要があります。(感染症対策などにより期間が変更される可能性があります)
たとえば、令和2年に売却したのであれば、令和3年の2月16日~3月15日の間に確定申告を行わなければなりません。

申し込む際には、いくつかの必要書類を提出します。
ここで注意したいのは、譲渡所得税が3000万円以下の場合の申請です。この場合、3000万円の特別控除が適用されると税額はなくなりますが、確定申告は必須です。確定申告をしないと3000万円の特別控除は適用されないので注意しましょう。

確定申告の詳しい方法は、国税庁のホームページ「確定申告に関する手引き等」で確認することができます。確定申告に関する説明や書き方の手引きが添付されているので、ぜひ参考にしてみてください。

必要書類

3000万円の特別控除を申し込む際に必要な書類も確認していきましょう。以下の表をチェックしてみてください。
必要書類受取り場所
確定申告書・譲渡所得の内訳書本人所有(税務署)
戸籍の附票役所
譲渡した土地・建物の全部事項証明書法務局
売却時の書類の写し本人所有
取得時の書類の写し本人所有
住民票の写しあるいはマイナンバー本人準備
申請には複数の書類が必要なうえに、受け取る場所も異なります。不動産売却時、取得時の書類など、一部自分で用意しないといけない書類もあるので、準備時間の経過とともに「どの書類が用意できていないのか」分からなくなるかもしれません。不動産会社の指示に従い、全ての書類を漏れなく揃えられるよう気を付けましょう!

ほかの控除との併用でもっとお得に

もっとお得にマイホームを売るには、ほかの控除も併用したいところです。
併用できる制度の1つに「10年超所有軽減税率の特例」というものがあります。適用要件を満たしていれば、さらなる節税が叶いますよ。どのような特例なのか見ていきましょう。

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率とは、売却した時点で10年以上所有していたマイホームを対象とした控除制度を指します。軽減税率というのは、令和元年の消費税率引上に伴い開始された、特定のものの税率を軽くする制度です。10年超所有軽減税率が適用されれば、3000万円の特別控除後に譲渡所得の税率を抑えることができます。

軽減税率に関しては財務省のホームページ「消費税の軽減税率制度等に関する資料」に条文がまとめられています。気になる人はチェックしてみてください。

10年超所有軽減税率では、売却益が6000万円以上の場合は20.315%、6000万円以下の場合14.21%の税率が設定されます。売却益が6000万円の場合の計算式を見てみましょう。

〈例〉
売却益6000万円、所有期間10年以上の場合
(6000万円 - 3000万円) × 14.21% = 税額約426万円

適用要件は、10年以上所有していたマイホームであることを前提条件に、3000万円の特別控除と同様です。

住宅ローン控除との併用は不可

マイホームの売却を考えている人のなかには、売却後、住宅の購入を検討している人もいるかもしれません。不動産の購入時には、住宅ローン控除が適用される場合がありますが、3000万円の特別控除とは併用できないので注意しましょう。

売却時に3000万円の特別控除と、これから購入する住宅の住宅ローン控除、どちらがお得になるかはケースバイケースです。まずは自分の家に3000万円の特別控除が適用されるかどうかを確認したうえで、住宅ローン控除とどちらがお得になるかを考えてみましょう。

万が一、不動産売却で損失が出たときは、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」といった制度により、ほかの所得から控除したり繰越したりすることもできます。いくつかある制度の中であなたに適したものがどれなのか、依頼している不動産会社に相談してみましょう。
よりよい資産運用ができるよう、今回の記事を参考にしてみてください!
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